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管理人の怠慢により11月上旬のお知らせは全て消えてしまいました。本当に申し訳ございません。 おしらせタイトルをクリックすると記事が表示されます。 いつログ&新刊配信! 11月26日 新着・おすすめ情報 11月26日 新着・おすすめ情報 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (NABJ.png) レコチョク 2014年11月26日 2014年11月26日「レコチョク」をご利用いただきありがとうございます。★今週の新着★e-girls、SPYAIR、大原櫻子、Nissy(西島隆弘)、AKB48など話題の最新曲がいっぱい♪★今週のアニメ主題歌★劇場版「進撃の巨人」、NARUTO、アカメが斬る!、サイコパス2など秋アニメ主題歌続々入荷♪★今週のおすすめ★『お買い得アルバム』この冬だけの特別価格♪EXILE、レミオロメンなど人気ベストアルバムが最大57%OFF!それでは、ニンテンドー3DSで素敵な音楽ライフを♪レコチョク 新刊追加のお知らせ 新刊追加のお知らせ #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (JHZJ.png) honto for ニンテンドー3DS 2014年11月26日 2014年11月26日「honto for ニンテンドー3DS」をご利用いただき、ありがとうございます。本日は新刊配信日です。☆今回は40冊が追加されました。・・・・・新刊一覧・・・・・※順不同●小学館作品・ウルトラマンメビウス超全集・仮面ライダー555(ファイズ)超全集_<上巻>・仮面ライダー555(ファイズ)超全集_<下巻>・ゴジラ2000(ミレニアム)超全集・超力戦隊オーレンジャー超全集・特捜戦隊デカレンジャー超全集 <上巻>・ウルトラなぞなぞ大合戦 第1巻・ウルトラなぞなぞ大合戦 第2巻・なぞなぞ全(オール)百科 第1巻 初級・なぞなぞ全(オール)百科 第2巻 中級・なぞなぞ全(オール)百科 第3巻 上級・入門百科+(プラス) プロの技全公開!まんが家入門●イースト・プレス作品(学習まんが)・地下室の手記 ~まんがで読破~・失楽園 ~まんがで読破~・エミール ~まんがで読破~・職業としての学問・政治 ~まんがで読破~●主婦の友社作品・まぁだだよ!・みつけたよ!・るんたのおねつ・るんたのといれ・るんたのはみがき●学研作品・しずかなフリル・ちことゆうのおだんごやさん・チョロコロトロ りんごのくにへ・ドテラウルス・ドドボンゴのさがしもの・なっとうぼうや・にんぎょひめ・ねずみのよめいり・ムーフと99ひきのあかちゃん・ももたろう・ももんがモンちゃん・ライオンのすてきないえ・りすのパンやさん・カーテン・10分で読めるもっとこわい話・まるごとわかる 犬種大図鑑・まるごとわかる 猫種大図鑑・マンガでわかる!収納+整理術・・・・・・・・・・・・・・★学習まんがを読んだり、新刊の確認をするには、ソフトの更新が必要となります。※先ず「honto for ニンテンドー3DS」ソフトをニンテンドーeショップから更新してください。_次にカタログ(無料)を更新することで、新刊を確認することができます。_カタログの更新は、ソフトを更新後に起動し、「本をえらぶ・買う」からニンテンドーeショップに接続し、カタログ(無料)をダウンロードして下さい。※これからも定期的に作品を追加しますので、ぜひチェックして下さい。※次回の新刊追加配信は、12月10日の予定です。☆これからも「honto for ニンテンドー3DS」をよろしくお願いします。☆ レコチョクバージョンアップ♪ レコチョクバージョンアップ♪ #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (NABJ.png) レコチョク 2014年11月19日 2014年11月19日「レコチョク」をご利用いただきありがとうございます。11月17日にレコチョクの更新版がニンテンドーeショップより配信開始しました。■追加機能名コミュニティ(レコチョクソフト内メインメニュー「ストア」の下に追加)■内容みんなで同じ曲を同じタイミングで一緒に聴く、3DSレコチョクの新しい音楽サービスです。10個のテーマ別に24時間ノンストップで音楽が流れています。同じ音楽テーマを聴いている人にむけて楽曲やアーティストに対する想いを文字やイラスト、手書きのメッセージを投稿できます。クラブレコチョク会員でなくとも利用可能ですが、「コミュニティ」機能利用にはインターネット接続が必須です。■利用料金① 30日チケット:300円(税込)② 5日チケット:100円(税込)■トライアルタイム(チケット無しでもご利用いただけます)平日 15 00~17 00【ストアInformation】★今週の新着★家入レオ、ケツメイシ、ROOT FIVE、蝶々Pなど話題の最新曲がいっぱい♪★今週のアニメ主題歌★サイコパス2、四月は君の嘘、Fate/stay nightなど秋アニメ主題歌続々入荷♪★今週のおすすめ★『ヒット曲¥150』レミオロメン「粉雪」やKiroro「冬のうた」などヒット曲が今ダケお買い得!それでは、ニンテンドー3DSで素敵な音楽ライフを♪レコチョク ピースあつめの旅 ピースあつめの旅 すれちがいMii広場 2014年11月13日 すれちがいMii広場の「あそぶ」の…ピースあつめの旅に新しいパネルが出てくるようになりました!しかも、記念にピースを1枚プレゼント!たくさんのMiiとすれちがって新しいパネルをあつめてみてください!(すれちがいMii広場より) ※追加されたパネル 『進め!キノピオ隊長』 ピースあつめの旅 ピースあつめの旅 すれちがいMii広場 2014年11月6日 すれちがいMii広場の「あそぶ」の…ピースあつめの旅に新しいパネルが出てくるようになりました!しかも、記念にピースを1枚プレゼント!たくさんのMiiとすれちがって新しいパネルをあつめてみてください!(すれちがいMii広場より) ※追加されたパネル 『PIKMIN Short Movies 3D ~真夜中のジュース~』 『PIKMIN Short Movies 3D ~ビンの中のお宝~』 『PIKMIN Short Movies 3D ~たいへんな一日~』 2014年10月へ←|一番上↑に戻る|→2014年12月へ
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よいまちちょうちょう【登録タグ OTO よ 初音ミク 曲】 作詞:OTO 作曲:OTO 編曲:OTO 唄:初音ミク 曲紹介 初音ミク以外全て無料による4作目。和風ロック。 ProjectDIVA-AC楽曲募集2応募版へのリンクあり。 歌詞 風船に囚われたるは 心優し可愛や蝶々 折り紙の鎌いつ振ろか 宵に火の花咲くまで 祭囃子 気も急き響く 日も沈まぬ内の提灯 軒の下に囚われ金魚 声に向けば見ず知らず 嗚呼 花火の音で あの子は消えた 夏の空にオマツリ蝶々 ゆらゆら花から花へ飛んでく 永久か刹那か 似たよなものか 命 舞わせ ただはらはらと とおりゃんせ とおりゃんせ きつねのふりしためのわらわ もういいよ もういいよ わたしをみつけてくだしゃんせ 嗚呼 いきはよいよい 幽世の岸 迷い込んだあわれな蝶々 ひとり境内の陰 かくれんぼ 夏の夜空に火の花咲けば 帰れるはずと信じ続け宵を待つ 嗚呼 夏の空にオマツリ蝶々 ゆらゆら花から花へ飛んでく 永久か刹那か 似たよなものか 命 舞わせ ただはらはらと 朱染 逢魔刻 葉陰 黒髪 浮世 泡沫 祭りの夜 迷い込んだ すれ違い 誰かが逃げた 泣きもせず 手を差し伸べて 花火はまだかと 宵待蝶々 コメント 名前 コメント
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「・・・・・・」 「・・・・・・」 「なぁ、あんた」 「・・・・・・」 「おい・・・そこのヘイブン兵」 「・・・私のこと?何?」 「そんな頭からすっぽりヘルメット被ってて、蒸し暑くないのか?」 「いえ、意外とひんやりしてて気持ちのいいものよ」 「へぇ、中は涼しそうだな・・・」 「被ってみる?」 「いや、遠慮しとく。入らないだろうし」 「そう・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「ねぇ」 「・・・何だ?」 「あなたのその銃、重くてかさばらないの?」 「確かに、あんたのP90に比べればでかくて重い。でも、その分P90より威力もある」 「なるほど・・・」 「・・・一発撃ってみるか?」 「いいの?」 「大丈夫大丈夫、一発ぐらい何も言われないって」 「そう、ならいいけど・・・へぇ、やっぱり結構重いわね」 「まぁな。・・・撃つときはしっかり肩に当てて撃てよ。反動も大きいからな」 カチッ 「あれ?撃てないじゃない、この銃」 「おかしいな、今朝はしっかり弾が出たんだが・・・」 「じゃあなんでかしら?」 「むぅ・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・あ、分かった」 「何だったの?」 「俺たちの使う銃は、IDが一致しないと使えないんだったよな・・・」 「・・・あぁ、なるほど。私もそれすっかり忘れてた」 「すまないな」 「いいの、別に気にしないで」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「なぁ」 「何?」 「・・・俺、実はこれが初めての実戦なんだ」 「あら、私もよ?一昨日訓練を終えてここに着たばかり」 「いくらPMCが殺人をするための企業だといっても、初めて人を殺すことになるかも知れないっていうのは嫌だな・・・」 「SOPが入ってるとはいえ、やっぱり怖いものね・・・」 「だよなぁ・・・」 「お互い、がんばりましょうね・・・」 「あぁ・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・ねぇ」 「何だ?」 「私たちが待ち伏せしている人って、伝説の傭兵って呼ばれてるんでしょ?」 「あぁ、そう聞いてるな」 「・・・伝説の傭兵とまで呼ばれている人に、私たちが戦いを挑んでも勝ち目はあるのかしら?」 「それも言えてるな。・・・でも、俺たちは軍隊だから。言われればやるしかない。だろ?」 「まぁ、そうなんだけど・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「もしその伝説の傭兵ってのが本当に着たら」 「?」 「その足で跳んで逃げるなんてことは止めてくれよ?」 「何言ってるの?あなた一人を置いて逃げるなんてことはしないわよ」 「・・・ありがとうな」 「あなたこそ、しっかり援護しなさいよ?」 「あぁ、がんばるさ」 「頼んだわよ・・・」 「・・・少し戦って勝ち目が無かったら降伏するってのも一つの手だな」 「そうね・・・それもありかも」 「無理はしないでくれよ?」 「えぇ、やっぱり死にたくないもの」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・降伏、一人で勝手にしないでよ?」 「もちろんさ・・・」
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「いやー、すまんすまん。思わず叫んじまったよ」 「はぁ…」 あっはっはと笑うと、そいつはなんとも言えない表情であたしを見た。 「ここってあんまり人いないだろ?だから思いっきり騒ぐには丁度いいんだよな」 「あー…そうですね、確かにあんまり人いないですね」 「だろう?だからたまにここで踊ってんのさ」 「でも、何でこんな所で?」 「え?あぁ、なんかダンサーって見世物っぽいじゃん?」 あたしがそう言うと、そいつは「はい?」と目をパチクリさせた。面白い表情する奴だな。 「あたしは別に見られたくて踊ってるわけじゃない、つーか見世物になりたくないからな。だからこうやって…」 「…人のいない場所で踊ってるんですか?」 「そうそう」 「でも、すっごい綺麗でしたよ?」 「そうか?あたしは普通に踊ってるだけだがな」 「綺麗なのに、勿体無いですよ」 「いや、だから…」 そいつがそう言った時、あたしの内心は怒りが沸いていた。 (お前が言うな、お前が) はっきり言おう。コグニートのそいつはめちゃくちゃ美人だ。 すらりと伸びた手足、すっきりと整った顔立ち。上級魔道士が着るハイキャスに覆われた胸や腰周りも女の色気があり、物腰も落ち着いている。 たぶんその辺の男なら十中八九、同じ感想を言うはずだ。 同性のあたしですら――いや同性だからこそ――美人だと思う。 そんな奴に綺麗だと言われても、嫌味にしか思えない。 「どうしました?」 お前に嫉妬してるんだよ、とは言えるはずもない。「別に」と適当に濁しておく。 「それより、あんたはどうしてここに?」 「え?えぇと…フラフラとしてたら自然に足が向いてまして」 「ふーん」 困ったように笑うそいつを見てるうちに寒気がしてきた。 どうも噴水のすぐそばで踊ったから服が湿ってるらしい。 「あ、ちょいと着替えるわ」 「え?」 辺りに人がいないのを幸いに、あたしはさっさと濡れた服を脱いだ。 と、その途端。そいつの顔が真っ赤になった。 「え。ちょ、な、なに、何し、」 「あ?何だよはっきり言えよな」 しばらく口をパクパクとさせていたが、やがて大声を上げた。 「な、何で脱いでるんですかー!?」 「ちょ、声でけぇよ!何騒いでんだよ、お前」 一発頭を引っぱたいてやると、そのままそいつは崩れ落ちた。 そのまま妙にピクピクし始めたが、また騒がれても面倒なのでそのまま着替えをしておく。 「うう…痛いです」 「お前が騒ぐからだろうが、全く」 しばらくしてから、ようやくそいつは立ち上がった。涙目でこちらを睨んでくるが、どうも怖いとは思えない。 「つーか、何で騒いだんだ?別に誰かいるわけでもないし、女同士じゃねぇか」 「えっ!?」 なぜかひどく驚いた表情を見せた。え、なぜ? 「えっと、あの…い、いくら人気が無いからって、こ、こんな所で着替えるのは恥ずかしく無いですか?」 「んにゃ?全然」 「は、はぁ…。あの、でもそういうのはやめたほうが…」 「そうか?あんまり気にしたこと無いけどなぁ」 それに、どうも家庭の事情であんまりそういうのが気にならなくなっている、というのもある。 そう言うと、そいつはまだ未練がましくあたしを見ていたが、「…そうですか」と諦めたようだ。 「それよりあんた、この後暇か?」 「え?」 「いやー、ちょいと小腹が空いてきたんだが、あいにく手持ちが無くてな」 「はぁ…」 「いつもはキャンプにいるマリエルが寄こす配給を食ってるんだが、味気なくてなー。たまにはまともな飯が食いたいのさ」 「えっと、つまり僕に、奢れと…?」 「そうそう!頼むよ、ココで合ったのも何かの縁と思ってさ。な?」 んー…、とそいつは何度か考え込むように視線を飛ばし、 「奢るのは別にかまいませんけど…僕もそんなに手持ちが多いわけじゃないので、普通のしか用意できませんよ?」 「普通でいいんだって。あたしもそこまでたかる気はねぇよ」 「そうですか…じゃあちょっと待っててください。すぐ用意しますから」 「ん、分かった。……って、ちょっと待て!」 すぐにも走り出しそうなそいつを慌てて止める。聞いておくべき事があったのに気付いたのだ。 「何ですか?」 「えーと、あんた…名前なんて言うんだ?」 そう言うと、そいつは目をパチクリとさせた。 「……あれ?自己紹介、まだでしたっけ…」 「……したと思うなら、あたしの名前言ってみろ?」 「…………して、ないですね」 「だろ?」 なんでこんな事に二人して気付かなかったのか。しばらくして二人揃って大笑いした。 あとがき プロローグというより、出会い編という感じになりました。 この二人がこれからどういう関係になっていくのかは…正直不明ですw MasterofEpic、通称MoEは孤島"ダイアロス島"を舞台に剣と魔法の世界が広がっています。 MMORPGによくあるレベル制ではなく完全スキル制だったり、マップ高低の概念により他では見ない独自の遊び方があるなど、他のRPGとはちょっと違った世界になっています。
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2011年11月28日(月)13時33分 - ikakas.rights 妖怪や幽霊の知識に自信がある君へ挑戦。 これ、何のお化け? うーん……あれ、何だったんだろうなぁ。 いや、ね、俺ってさ、結構妖怪とか幽霊とか見えちゃう系なんだけどさ。実は。うん、何かこう夜とかさぁ、たまに、明らかに生きてねぇだろ、みたいな格好してる奴見かけたりすんのよ。首なかったり足なかったり。ってか人じゃなかったり。 だから結構、お化け系の知識あると思ってたんだけど。 うん。そうそう、それよ、この前見た奴の話。 何か……んー、未だに謎なんだよな。何のお化けだったんだろうって。大陸にゃ飛頭蛮って妙なお化けがいるらしいけど、それに近いっちゃ近いんだよな。多分。でも……うーん、多分別物なんだよなぁ、あの感じじゃ……。 え? んなことねぇって、言ったろ? 慣れてんだよ、こう、大概のバケモンだったら別に。びびってねぇって、……つか、大抵の奴はあれ見てもびびりはしねぇよ。うん。「え、何これ」ってなるだけだって。 ってか今あるんだけど……ん? あぁ、そう。捕ってきたんだよ。いや、気になったから。捕ってきたっつーか、まぁたまにガチでおっかない妖怪的なのもいるからさぁ、ほらあの、正当防衛的なあれで咄嗟に手が出たっつーか。そしたら意外とあっさり勝てたっつーか。 ほら、これだよ。……うん。あれから全然動かねぇし、多分もう死んでるんだろうな。 これがさ、……浮いてたんだよ。真夜中に、ぼやーって。 まぁそんなに長い話でもないってか、──あ、確かお前も知ってるよな? あのストリートで弾き語りやってるやつ。ほら前集まった時にいたじゃん、たまにいい声で語り入れたりする……。そうそう、そいつ。俺、実は結構ファンでさ。聞いた話だと……何つーの? セミプロってかプロなんだっけ? 歌で食ってるっぽいこと言ってたな。 うん、で、先言っちゃうと、さっきのお化けが出たのってそいつん家なんだけどさ。しかも、それが出てからその人ぱたっと消息絶っちゃってさ。ひょっとしたら、あれに喰われて……って可能性もある、かも、か? あぁ、最初から話すけど、最近さ、俺っつーかここらへんに住んでる奴のためにこっちに出向いてもらって弾いてもらってたんだよ。そいつに。夕食振る舞ったりしつつさ。 で、俺がそいつの案内人やってたんだけど、その晩もそいつの家に迎えに行ったわけね。いつもの時間に。でも外から呼んでも出てこなかったから、まぁちょっと悪いとは思ったけど中入って。したら、いねぇんだよ、どこにも。家中しーんってなってて。 や、アポ取ってあったんだよ、そこはちゃんと。今日行きますって。 おっかしーなーって思いながら何か家ん中歩いてたら、……そしたら、ほら、そいつが出たんだよ。 居間? みたいなところに、何か。 浮いてたんだよ、耳が。 ……あれ、何の化け物だったんだろうなぁ。 俺も平家の怨霊やって随分経つけど、耳が浮いてるだけのお化けなんて初めて見たよ。 ……にしても、本当どこ行っちゃったんだろうなぁ。芳一さん。
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96 :名無し募集中。。。:2010/03/16(火) 02 00 21.86 0 95 第381回 「妬かないの?」 「え?なんで?」 「他の人に好きって言われたんだよ?妬いてくれないの?」 「・・・いや、みやは別に好きじゃないし」 「またそうはっきり言うんだから。ちょいちょい傷ついてんだけどなぁ。」 ももはあからさまに落ち込んで見せた。わかってる、演技してるって。 だって顔笑ってるもん。でも、だけど、一瞬、本当に悲しいって顔をしたから だから・・・・素直になってみた。あの、会長さんみたくはいかないけど。 「・・・正直言うとちょっと妬いた」 「え?なんて?もっかい!」 「もう言わない」 「えぇ、みや言ってよー」 「言いません!」 「みやぁ!」 なんて、結局はいつもの言い合いになって笑って終わり。そう思ってた。 だけど、一瞬でもしてしまった嫉妬がうちのことを変えた。 いや嫉妬してる時点でもう変わってたのかもしれないけど。 好きだと言われててもあんまりピンとこなかったし、 ももとのやりとりも好きと言われてからも普段と変わらなくて意識なんかしてなかった。 思えばそれは決断することから逃げていたのかもしれない。 だけど、今日の話を聞いて会長さんに嫉妬した。 それはももを好きだって言ったこともあるけど、素直に決断したことへの 羨ましさもあったと思う。すごいなって、感覚。 でもそれがなんとなく悔しくもあった。・・・うちは素直じゃないから。 97 :名無し募集中。。。:2010/03/16(火) 02 02 23.42 0 96 第382回 ・・・会長さんにももは渡したくないな。 妬いて、羨ましくて、悔しくて、 ・・・だからやっぱり、ももは渡したくない。 「もも、・・・・うち、ももが好きかもしれない」 ももの家からの帰り道、星空にそっと呟いた。 誰の耳にも届くことのない言葉が小さく響いてすぐに消えた。 ・・・でも、まだ「かもしれない」だから。 まだ、違うかもしれないから。 だから、この気持ちはまだ、心の中に置いておこう。 122 :名無し募集中。。。:2010/03/18(木) 01 07 30.34 0 97 第383回 「ありえない」 「ていうか眠い」 「まだ7時過ぎなんですけど」 「昨日遅くまで勉強してたから眠い・・・」 「何を考えてるんですか、いったい」 「さぁ、全くわからない」 「・・・ちょっと寝てもいいですか?」 「てか普通に狭い」 「ちょっとみやそっちいってよ」 「やだよ、千奈美が行けばいいじゃん」 「まあまあ、ケンカしないの」 「そういやえりかちゃんなんでいんの」 「いや呼ばれたから」 「入んの?」 「たぶん」 「あ、ご、ごめんなさい」 「いいよ、狭いんだから当たらない方がおかしいよ」 ここにいる全員がもれなく、一言は文句を言った。 それはすべて、部長に向けられている。 そしてその部長は、人を朝の7時過ぎに呼び出しておいて なぜかいない。 「もも何やってんの、あぁ、超腹立ってきた」 「まぁまぁ、みや」 「だめ、来たら絶対怒ってやる」 123 :名無し募集中。。。:2010/03/18(木) 01 08 13.72 0 122 第384回 ・・・しかし、狭いなぁ。 何が悲しくてこんな狭い部室に16人も・・・。 イスは3つしかないから、地べたに座る人もいるし机に座る人もいる。 ・・・満員電車くらい、狭い。ぎゅうぎゅう。 ももが来たところで、ゆっくり立ったり座ったりする場所は一切ない。 何を考えてんだか。 あ、実際活動を始めたらどうなるんだろう?ここではもちろんできないし この間みたいに会議室・・・もいつでも借りられるわけじゃないし。 かといって部室変わるのは当初の目的からして相当矛盾してしまうし。 たいたいももがそんなの絶対いやって言うし。 じゃあ、どうするんだろう? そういえば、会長さんいないな。・・・ひょっとして、みんなにお披露目、的な? 「みんなごめーん!部長、ただいま参上!なんつって」 しょうもないことを言いながら、部長、ことももは現れた。 ドアを開けた瞬間ぎょっとした顔をしたことをうちは忘れない。 だから、ももは部屋には入らずドアを開けた状態で話をすることに決めたらしい。 「もも遅い、一番遅いってどういうこと」 部屋の真ん中辺りにいるうちは、入り口のももへ声をかけた。 「ごめんごめん、まぁ、そう怒らないの」 軽い。非常に軽い!みんなどんだけ狭くて暑い思いしてると思ってんのあのバカ。 124 :名無し募集中。。。:2010/03/18(木) 01 08 54.15 0 123 第385回 「ごめん、みんなをここへ呼んだのは朝一で報告があったから。」 ももがそういうとみんなは一斉に顔を見合わせた。 「なんと、部員が目標に達しましたー!!ほら、みんなもっと盛り上がる!」 もものハイテンションは朝からきつい。みんな低いテンションのまま手を叩いて盛り上げる。 「なんかイマイチだなぁ、まぁ、いいか。一番最後の部員、清水佐紀ちゃんでーす!」 「・・・・どうも」 ももが引っ張ってみんなの前に出したのが、生徒会長さんだった。 みんな「えっ・・・」って感じで固まった。 ちょっと恥ずかしそうに下を向いてる生徒会長、・・・・ちょっと可愛い。悔しいけど。 「え、会長なんで」 「いやぁ、まぁ、いろいろあって」 「そ、そうですか・・・あ、でも嬉しいです」 「よ、よろしくね」 入り口付近で愛理といちゃついてた熊井ちゃんが声をかけた。 ビックリと言うか、唖然と言うか、そんな顔をしてる。 そりゃそーだ。全員、いや、よく見ると茉麻と梅田先輩はそうでもなさそう。 きっと知ってたんだ。確か、友達とか言ってたし。 「で、まぁ、紹介はここまで。とにかく嬉しくてさ、文芸部の存続はほぼ決定だし!」 「あ、あの!そのことでちょっと」 ももが嬉しそうに言った後、前田ちゃんが口を開いた。 125 :名無し募集中。。。:2010/03/18(木) 01 10 26.38 0 124 第386回 「あの、なんだっけ社会なんたらっていう同好会、一人増えて、文芸部と同じ人数みたいで・・・ 確か上回らなきゃいけないとか言ってませんでした?」 「そ。じゃなきゃ、ここは没収」 冷たい声で会長さんが言う。あぁ、やっぱり生徒会長だ。とある意味安心感。 「えぇぇぇ、ちょ、じゃあ明日までにもう一人集めなきゃいけないの!?」 「そういうことだよ、もも」 「ごめんなさい余計なこと言って・・・」 いや、前田ちゃんは悪くない。 なんだかその申し訳なさそうな顔、こっちが余計申し訳ないよ。ごめん。 だが、全員に、もれなく疲労感が襲った。それでなくても朝早くに呼び出されて 天敵生徒会長が仲間に入りまーすとか衝撃的なこと聞かされて さらにやっと集まってほっとしたところにまだ一人必要だとか知らされて。 ・・・・がっかりしないほうがおかしい。 ◆ 全員で、校門に立って勧誘をした。が、もちろんテスト前にそんなところに関わろうとする 奇特な人はいない。いるわけがない。もも以外は、当然わかっていた。 そこでうちとももはなんとかあいつを巻き込もうと、屋上へ向かうのだった。 174 :名無し募集中。。。:2010/03/22(月) 01 14 02.37 0 125 第387回 朝、部室に集められてまあ狭くて暑くていろいろあって、 私たちは校門で勧誘活動・・・だけど、まあ脈はない雰囲気。 飽きた私は校舎の間を抜けて、中庭のベンチに座った。 校門前の喧騒とはうってかわって、すごく静かな場所。 …と思ったら、一人付いてきたみたいだ。 「えーり、サボってんなぁー」 「飽きちゃった」 「あはは、私も」 舞美は疲れたのか小さく笑って、私の隣に座った。 そりゃそうだよね、朝早かったし。 …って私まだ正式に入るとは言ってないんだけどなぁ。 でもまぁ、文芸部は結構おもしろい。活動じゃなくて、・・・人のことだけど。 なんていうか、個性的っていうかさ。 「えり、試験終わったらデートしよう」 「へ?」 「へ?じゃなくて。約束だったでしょ」 「あぁ、・・・覚えてたんだ」 「当たり前じゃんか。えり、入部してくれて助かったし・・・うん」 舞美はちょっと恥ずかしそうだ。デート、なんて言ったせいかな。 かくいう私も赤くなってるわけで。 175 :名無し募集中。。。:2010/03/22(月) 01 15 07.29 0 174 第388回 「どこいきたい?」 「そうだなぁ・・・・どこでも」 「もう、またそうやって困る返事をするんだから・・・」 「舞美考えてよ。」 「えぇ・・・・うん、まあわかった」 照れくさそうに困ったように舞美は髪をいじりながら頷いた。 なんだかちょっと可愛い。きっとあんまり人に見せない無防備な顔。 「愛理ちゃんはいいの?」 「・・・・まだ考え中」 「デートするからには、吹っ切ってもらわなきゃ」 「・・・・・それはちょっと難しい」 「冗談だよ、いいよ別に。」 急にテンション、というかトーンの下がる舞美。 吹っ切ってるはずないか。 愛理ちゃん目当てでわざわざ東北から転校してくるんだもんね。 その本気度はわかってる。だからこそ、辛いんだけどさ。 でもあんまり考えると余計に辛いから、極力考えないようにしてる。 話をしているうちにチャイムが鳴って、私たちは教室へ急いだ。 …そういや、部員は本当に大丈夫なんだろうか? 部長さんが言ってた「心当たりあるから任せて」とは一体誰のことなんだろう。 …なんとなく、いや、なんとなくだけど嫌な予感がした。 まあ、でも今はとりあえず勉強に頭を切り替えよう・・・・。 230:名無し募集中。。。:2010/03/27(土) 00 54 38.96 0 175 第389話 お昼休みの屋上。 あたしが常駐してるとわかっているからなのか、誰もいない。 うーん、快適。静かでいいや。 そのうち、ももちゃんかみやが来るだろう・・・今日のお弁当はなにかなぁ。 と、お弁当を開こうとしたら神妙な顔したももちゃんとみやが現れた。 なんだろ? 「めぐちゃん、お願いがある」 「めぐ、真剣に聞くように」 「な、なによ?」 そういう風に切り出されると身構えてしまう。な、なんだ? 「文芸部入って」 「入って」 「え?いやだよ、てか前に断ったじゃん」 「緊急事態だから」 「めぐが入ってくれないと困るの」 「ちょ、ちょっと、、まず理由を言いなさい」 もう、そういう感じで言うのはやめてよね。 ちゃんと理由を説明しなさい。 …なんかこの2人って全然似てないと思ってたけどちょっと似てきた・・・。 ももちゃんが慌てながら、みやが適時訂正と補足をしながら説明してくれた。 ふむふむ。なるほどねぇ。 231:名無し募集中。。。:2010/03/27(土) 00 55 25.19 0 230 第390話 「・・・っとまぁ、そういうこと」 「だからさ、めぐ頼むよぉ」 「・・・・あと一人なんでしょ?じゃあどっちかのクラスから適当に・・・ていうか」 「なに?」 「生徒会長が入部ってそれネタじゃないよね?」 「そんなわけないよ、ももが入部させたんだから」 「・・・じゃあ、余計入るわけないじゃん」 二人から顔を背けて空を見上げる。悪いけど、入部は出来ないよ。 そりゃ、力にはなりたいけど。水と油なんだよ、あたしとその人。 それに、・・・他の子が嫌がるでしょ、あたしなんて。 「めぐちゃん、前に他の子が怖がるとか嫌がるとか言ってなかった?」 「あぁ、うん。今も思ってた」 「そりゃ初めはそうかもしれないよ、でもめぐちゃんそんな人じゃないじゃん?」 「そうだよ、あんな噂。愛理もめぐのことそんな人じゃないって言ってたし」 「そうだとしても・・・だめだよ」 むやみに近づいて怖がらせる必要はない。 あたしはこうして静かな場所にいられればそれでいい。それで幸せ。 「・・・村上さん、入ってください」 「あれ、前田ちゃん?」 「どうしたの?・・・って村上さんって言った?」 「憂佳、なにしてんの」 「え、憂佳!?」 「ちょ、めぐなに知り合い?」 みやとももちゃんが現れた憂佳にびっくりしてる。 あぁ、そうか知らないのか。あぁ、説明めんどいな・・・とりあえず今日はいいか。
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京太郎「お疲れ様でーす。掃除で遅れました。」 智葉「お疲れ。」 ハオ「遅かったね?」 ネリー「遅いよ~。」 京太郎「何時もはどうでも良いような所が気になって気づいたらこんな時間。」 ダヴァン「アホですネ。」 京太郎「何を言うんですか。俺一人ならまだしも、今日の当番俺を含め8人こんなんでした。」 ハオ「あぁ、クラスがもう手遅れなんだね。」 京太郎「ヒデェ!!」 明華「……」ジーッ 京太郎「あの明華先輩?」 明華「……」ジーーーーッ 京太郎「俺何かしでかしましたか?」 明華「……」ジーーーーーーーーーーッ ナニヤッタノ-? ナニモシテナイ コレダカラキョウタロウクンハ ダカラナニモシテネェ 明華「ふむ。京太郎くん。」 京太郎「ふぁい! 何か変な声出た。」 コウイウトコロキョウタロウノカワイイサデ-ス ナニイッテルンダ、メグ 明華「お父さんと呼んでも良いですか?」 京太郎「……はい?」 明華「良いんですね!」 京太郎「了承のはいではないです。 え?どういうこと?Why?」 ネリー「明華どうしたの?お金欲しいの?」 明華「どうせなけなしですから、いらないです。」 京太郎「え?なにこれ、酷い。」 ハオ「ですが、いきなりどうしたんですか?」 明華「御存知の通り、母子家庭で育ったものですから。父親を知らないのですが、京太郎くんは、そこらの男子よりしっかりしていますし、安心感?と言うのでしょうか、そういう雰囲気がありますから。こういうのがお父さんなのかなぁと。」 ダヴァン「そうですネ~。この前もラーメンの食べ過ぎでお金が足りない時も助けてもらいましタ。」 智葉「ちょっと待て。メグ、お前は何をしてるんだ。」 ダヴァン「テヘ」コツン ハオ「だから、お父さんと?」 明華「はい。」 エ?スルーデスカ?イイデスヨドウセワタシナンテ 明華「ダメですか、京太郎くん?」 京太郎「あぁ~。まぁ、そういう事なら良いですよ。」 明華「ありがとう、お父さん。」 京太郎「オゥフ。予想以上にきますね。明華先輩は大丈夫ですか?」 明華「……」プクーッ 京太郎「えぇ。何か怒ってるぅ。」 明華「どうして、先輩を付けるんですか!?娘に先輩なんて付けないでしょう!!」 京太郎「え、あの先輩?」 明華「……」プイッ 京太郎「え?ちょっ。……みょ、明華?」 明華「どうしたの?お父さん?」ニコ 京太郎「な、何でもない。」 明華「フフッ。変なお父さん。」 京太郎(可愛すぎです。コレ。俺どうしたらいいんですか先生。何か、幸せすぎて死にそう。) ハオ「取り敢えず、座ったら。父さん。」 京太郎「」 智葉「オヤジは緑茶でいいか?」 京太郎「」 ネリー「キョータロー!」 京太郎「ハッ。ちょっと花畑居たわ。 で、どうした?ネリー。」 ネリー「金額しだいで私も呼ぶよ!」 京太郎「そういうの要らないんで。結構です。」 ネリー「嘘だよ~。冗談だよ~。パパ~。」 京太郎「結局か!ちょっと待って。俺のキャパ越えてるから。 チョッ!ダヴァン先輩ヘルプ!?」 ダヴァン「ソウデスヨネ、ケッキョクワタシハダメダメデスヨネ。」 京太郎「トリップしてないで助けて!」 ダヴァン「……どうかしましたか?ファザー?」 京太郎「あっれ~?」 ネリー「ネリー、パパの膝に座るのん。」 明華「なら左側は私が。」 京太郎「誰か助けてください!?」 今日も臨海麻雀部は平和である。 カンッ
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29ページ目 ミニスカート「ただ我が家がここにあるってだけのこと!」 セリ「あぁ、そういうね」 セリ「私はてっきり……ねぇ?」 チヒロ「うん、ああいうことがあるとどうしても……」 ミニスカート「ちょっとぉ! 良心! 貴方はこの場で唯一の良心の筈でしょ!?」 セリ「さて、じゃあソノオの花畑も見たし、次はどこ行こっか?」 チヒロ「そうね……」 チヒロ「貴方のお勧めとかある?」 ミニスカート「え? 観光名所、みたいなもの?」 チヒロ「うん」 ミニスカート「そ、そうねぇ……」 セリ「それに聞くの?」 ミニスカート「“それ”って何よ、“それ”って!?」 次へ トップへ
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ア「失礼する」 黒「あれ……アメジストさん?」 マ「珍しいね、君がここに来るなんて」 ア「あぁ……いい茶葉が手に入ってね、よかったら一緒にどうだい?」 黒「あっ、ありがとうございます。今淹れてきますね」 マ「頼むよ黒曜石」 ア「……」 マ「どうしたんだい? さっきからずっと黒曜石のほうばかり見ているけど」 ア「ん? いや……いい娘だな、あれは」 マ「いきなりどうしたんだい?」 ア「うん? 私が妹のことを褒めるのはそんなにおかしいかい?」 マ「いや、いつもここに来た時はからかうってばかりの印象しかなかったから……」 ア「ふむ……そういえばそうかもね……」 黒「どうかしたんですか?」 ア「あぁ、なんでもないよ……邪魔したね、そろそろ帰らせてもらうよ」 黒「え? もう帰るんですか? せっかくお茶菓子ができたのに……」 ア「すまないね。それはまたの機会にいただくとするよ。あぁ、それともう一つ、マスター殿に」 マ「?」 ア「……幸せにしてやってくれよ」 マ「あ、あぁ……」 ア「ふぅ……」 黒曜石。本当にあの娘はよく似ているな。 ア「いや、そうでもないか。少なくともあの娘は昔の私より素直だしな……ふふっ」 だからこそ心配しているのだろうな……私のようにならないか。 ア「あの娘は耐えられるだろうか……」 私たちは人形でマスターたちは人間。だからこそ必ずやって来る。“死”という避けられぬ別れが。 真「大丈夫よ、きっと」 ア「! 姉様……」 真「アメちゃんも心配性ねぇ。でも大丈夫。きっと……あの娘なら受け入れられる……」 ア「……えぇ、そうですね……きっと……」
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前ページ次ページゼロの黒魔道士 「いい季節ですよね!今なら、丁度タルブの『猫祭り』の季節ですし!」 爽やかな朝、初夏の風が、街道沿いを吹きぬけていた。 ルイズおねえちゃんの授業も、王室の結婚式がもうすぐっていうことで、ほとんどがお休みになったみたい。 ……その代り、「宿題多すぎ!」ってルイズおねえちゃんが叫んでたなぁ……学生さんって、ホント大変だ。 「……猫?なんで、猫祭りなの?」 「えぇと、元々はワイン蔵を荒らすネズミ退治の猫を慰労するお祭りだったらしいんですけど、 今はみんなで猫の仮装をしたり、お酒を飲んで夏の到来を祝う祭りなんです」 なんか、とっても楽しそうなイベントだなって思う。 でも…… 「ギーシュ~!もうちょっと笑顔になりなさいよ!暗い顔してると、幸せが逃げるわよ?」 ……キュルケおねえちゃんはとっても嬉しそうだけど、 ギーシュが、モットおじさんのところから帰ってきてずっと暗いままなんだ。 「――放っておいてくれ、頼む」 「ぎ、ギーシュ?私はあなたの味方だから、ね?例え女装したりしても……」 「あぁっ!?もう、言わないでくれぇぇぇ……」 なんか、とっても酷い目にでもあったのかなぁ……? 「そういえばほら、アニエスってどうなったの?例の鎧の……」 キュルケおねえちゃんが、ふと思い出したよう言う。 そっか、キュルケおねえちゃんも、あの夜はモットおじさんの所に行ったから知らないんだ。 「あぁ、鎧の姉ちゃんなら――」 「……『自分を見つめ直す』って書き置きだけを残して消えちゃったんだ……」 デルフの言葉を引き継ぐ。 アニエス先生は、あの夜、夕食をもっていってあげたら、いつの間にかいなくなってたんだ。 どこに、行ったんだろう……?“ブレイヴ・ブレイク”って病気、治ったのかなぁ……? 「う~ん、これだと締らないし――」 ルイズおねえちゃんは、相変わらず白い本を持って、うんうん唸っている。 「ルイズ~?あんたまだ詔できてないの?結婚式って、あと1週間ちょっとでしょ?」 「わ、分かってるわよ!あ、後はツメなのよ、ツメ!」 ……このお宝探しが、いい気分転換になればいいなぁ…… 「あ、タルブが見えてきました!」 遠くに、白い壁の家がいくつか重なるように見えてくる。 あれが、タルブなんだ。綺麗でのどかそうな村だなって思ったところに…… 「クェー!」 「……え?」 ……どこかで、聞いたことがあるような声が聞こえてきたんだ。 ゼロの黒魔道士 ~第三十六幕~ タルブ・de・○○ タルブの村は、丁度ダリの村を大きくしたような感じだけど、 雰囲気はずっと明るかった。多分、大人の人たちがちゃんと働いているし、 子供たちも外で元気に遊んでるからだと思うだ。 『猫祭り』の準備なのか、あちらこちらに猫のぬいぐるみや、猫の置物が置いてあった。 ……『猫ワイン』って、猫が入ってるわけじゃないよねぇ? 「で、シエスタ、この地図の×印なんだけど――」 「クェー!」 キュルケおねえちゃんの質問は、大きな声で遮られちゃったんだ。 「さっきから聞こえるけど、何の音?」 ルイズおねえちゃんが不思議そうな顔をする。 ボクの予想が正しければ、この声って…… 「あぁ、この声は、そこの厩舎ですね。見てみます?おもしろいですよ?」 「な、何なのよ、これ!?」 ルイズおねえちゃんは驚いていたけど、ボクはもっと驚いていたんだ。 その生き物の姿は、ボクが知ってるものより、ずっとくすんだ色をしていたんだ。 「クェーッ!」 でも、その声も、その臭いも、そのクチバシも、そのケヅメも、その大きさも…… 「クェ~!」 どこからどう見ても、その生き物は…… 「ちょ、チョコボっ!?」 「あら、ビビさん、御存じなんですか?」 ボクの知ってる、普通のチョコボは黄色い。卵の黄身と同じぐらいの鮮やかな黄色だ。 でも、ここ、タルブの馬小屋のようなところ(多分、チョコボ舎かな?)のチョコボは、 色がくすんだ白、ミルクを入れすぎた紅茶みたいな色をしていた。 でも、この鳥は、間違いなくチョコボだ。 人が乗ったり、土を掘ったりする、あのチョコボだ。 しかも、何羽もいる…… 「な、何なのよ、このおっきな鳥!?」 「――すごい匂いだね、これは」 他のみんなはルイズおねえちゃんみたいにおっかなびっくりしてたり、 ギーシュみたいにチョコボ独特のにおいに鼻をつまんだりしている。 「タルブ名物『ショコボ』です。畑を耕すときとか、荷物を運ぶのに使うんですよ?」 「え、『ショコボ』……?チョコボじゃないの?」 なんとなく、発音が違う気がしたんだ。 「えぇ、『ショコボ』……あら?ビビさんの発音、私のひいおじいちゃんと同じような言い方ですね?」 「ひいおじいちゃん……?って、いたたたたたたた!?」 横を向いた瞬間に、チョコボが、ボクの帽子をつついてきたんだ。それはワラとかの餌じゃないのに…… 「あらあら、ビビさん、気に入られたみたいですわね?」 そんな気に入られ方しなくてもいいんだけどなぁ…… 「や、やめ、やめてててててて!?」 チョコボの嘴って、地面を掘ったりするから結構鋭い。 それに、首の力もものすごく強いんだ。あと、足も速い。 ……襲われたら、かないそうにないなってふと思った。 「ハハハ、僕のライバルも鳥相手には形なしか!」 ギーシュがケラケラ笑ってる。うん、元気になったみたいで良かったけど…… ちょっと、その笑い方はムッとするなぁ…… 「いいかい、鳥っていうのは、こうやって首の下を……でっ!?」 チョコボを得意気になでようとしたギーシュは、おもいっきり頭の上にケヅメが振り下ろされた。 ……チョコボって、すっごい器用だなぁ…… 「フフッ、ミスタ・グラモンも気に入られたみたいですね」 シエスタがクスクス笑う。ボクも、つられてちょっと笑った。 「ギーシュ~、なさけないわねぇ~!ところで――荷物ぐらい置きたいんだけど?」 ルイズおねえちゃんも久々に笑ったみたいだ。うん、良かった。いい気分転換になったみたいで。 「あ!そうですね!それじゃぁ、私の家に向かいますか」 「いたたたたたたたたた、髪の毛に絡まる!?絡まってる!?」 「じ、じっとしてなさいよギーシュ!今取るから――」 モンモランシーおねえちゃんがギーシュの頭からケヅメを取り除く間、 そのチョコボはうれしそうに「クェーッ!」と鳴いていた。 ……流石に、ちょっと痛そうだから、ボクも手伝ったけど、 ギーシュの髪って、ちょっと癖があるのか、チョコボのケヅメにうまいこと絡まってて…… 「いだだだ!?抜ける抜ける抜ける!?」 ……長い時間を費やして取れたけど、あとちょっとで、 コルベール先生みたいになっちゃってたかもしれないなぁと思ったんだ。 ・ ・ ・ シエスタの実家は、風車が目立つちょっと大きめのお家だった。 風車って言ったけど、普通の板みたいな大きな羽が縦にゆっくり回るものだけじゃなくて、 お椀みたいな小さい羽が横にグルグルと素早く回っているものや、 お花みたいな形で一が通り過ぎるたびに回るもの、 風じゃなくて、実際は脇を流れる川の水車の動力で回っている偽物の風車もあって、 なんか家全体までグルグル回っているような印象を受けた。 「ひいおじいちゃんが大好きだったんですよ、風車」 ……大好きって言うにしても、程がある気がするなぁ…… 「ただいま帰りましたー!」 「まぁまぁまぁ!?貴族の方々まで!?粗末なあばら家にわざわざお越しいただくとは――」 シエスタのお母さんかな?シエスタより少し背が低くて、ちょっとふっくらした感じの女の人が出迎えてくれた。 そのお家の中は、外よりも、もっとすごかった。 あちこちに、木で作った馬車の模型や、歯車の組み合わさった鉄の塊が転がっていて、、 ガラスの筒の中では色とりどりの球体が浮かんだり沈んだりしている。 「――あばら家、っていうより――何かの研究室みたいな雰囲気ですわね」 モンモランシーおねえちゃんが、一瞬『物置』って言いそうになったのが分かった。 でも、これだけゴチャゴチャとよく分からない物が並んでるって、確かに物置っぽいけど、 なんとなく、ワクワクしないかなぁ?キュルケおねえちゃんじゃないけど、お宝の山って感じで。 「大体が、ひいおじいちゃんの発明品なんです」 シエスタがお茶を入れるのか、ヤカンを火にかける。 そしたら、そのヤカンがクルクルと回りだして…… 「え?どういう仕組みなんだい?」 ギーシュも不思議に思ったのか、大きめのテーブルにつきながら聞いたんだ。 「あぁ、これもひいおじいちゃんの発明で――ほら、上に風車の羽がありますよね?」 かまどの上の方に、外にあった大きな風車を、ずっと小さくして横倒しにしたものがあった。 そこから、軸が上に伸びて、歯車を伝って、かまどの下の方にクルクルという動きが伝わってる。 「なるほど、湯気を利用した動力ということか」 「そうなんです、これで、まんべんなく熱が伝わるという仕組みなんですよ!」 「ふむ、おもしろいね!肉を焼くときも使えるのかな?」 ギーシュは素直に感心してるけど、おねえちゃん達はちょっと退屈そう。 ……うーん、男の子と、女の子の差、なのかなぁ? 「えーと、ところで、シエスタ?この地図なんだけど」 「え?あぁ、はいはい、その紙、ですね?」 キュルケおねえちゃんは、早く×印のついている場所に案内して欲しくてたまらないらしい。 「で、この地図のこの印のところって、結局この村のどこに――」 「そんな場所、存在しませんよ?」 「……え?」 ボクは、いや、他のおねえちゃん達も、耳を疑ったんだ。 「ほら、さっき厩舎にショコボがたくさんいましたよね?あの子たち、畑を耕すときにがんばってもらうんですけど、 そのとき、地面から色々見つけちゃうんですけど、こういった紙もよく見つけて……ほら!」 ……今、気づいたんだ。それは、おねえちゃん達や、ギーシュも同じだったみたい。 部屋の壁一面が、キュルケおねえちゃんの持っている地図とほとんど同じもので埋め尽くされているってことに…… 「ちょっとした壁紙にしたりすると、味のある模様なのでお土産として売ってるんです。タルブの密かな名産ってところですね。 ショコボの落書きっていうことで、『ショコ・グラフ』という名前で……」 キュルケおねえちゃんの笑顔が、貼りついたみたいに引きつっていた。 「――ま、待ちなさいよ?あなた、この地図は『タルブの』って……」 「?えぇ、ですから、その紙が『タルブの』名産品と申したつもりでしたが……あの、何か不都合が?」 お茶っ葉を探しながら、シエスタが首をかしげる。 ……そっか、『タルブの“描かれた地図”』じゃなくて、『タルブの“お土産”』なのかぁ…… なんか、言葉って難しいなぁって思ったんだ。 「それじゃぁ、この地図って……」 ルイズおねえちゃんが、気の毒そうな表情になる。 「むかーし、貴族様方に調べてもらったんですがね?いやまさか大切な紙だったら大変ですし」 シエスタのお母さんが、カップを出すのを手伝いながらしゃべる。 シエスタと、シエスタのお母さんは、キュルケおねえちゃんの事情には全然気付いてないみたいだ。 「その結果、『こんな場所はハルケギニアではありえない』ってことで、大昔の落書きってことになったみたいですね」 コポコポと、熱いお湯がお茶っ葉の上に注がれる。 お茶の葉が、その熱でふにゃふにゃになるみたいに、キュルケおねえちゃんの体から力が抜けていくのが分かった。 「そ、そんな~……」 「あー――えー、そのー……」 ギーシュが、かける言葉につまっている。 「何というか、古物商って、あこぎねぇ……」 ルイズおねえちゃんも、かぶりをふる。 流石に、壁紙と、お宝の地図だと、値段もすごく違うはずだよね? ……なんて言ったらいいんだろう…… 「――御愁傷様、ね」 モンモランシーおねえちゃんの言葉って、大抵鋭くて、的を射てると思うんだ…… 「高かったのにぃぃぃぃぃ~!!!」 キュルケおねえちゃんは、テーブルにへにゃ~ってつっぷしちゃった。 なんか、ものすごく疲れきった感じがする。 「……あ、シエスタ?シエスタの、ひいおじいちゃんって……」 なんとなく、話を別なところに持っていった方がいいかなって思って、シエスタのひいおじいちゃんのことを聞くことにしたんだ。 「あ、私のひいおじいちゃんですか?」 『ひいおじいちゃん』って言うときの、シエスタの顔がちょっと誇らしげだった。 「この子、ひいじいさまっ子て言えばいいんですかね、小さいときに死んじまったってのに、ずっと好きだったみたいでねぇ」 シエスタのお母さんがそう苦笑しながら、お茶のカップを配る。 お茶は、ミントの香りが強い、ハーブティーだった。とってもすっきりした香りで、飲みやすい。 「だって、ひいおじいちゃん、色々作ってくれて、とっても楽しかったんだもの!聞いたこと無い話してくれるし!」 なんか、小さい子に戻ったみたいな口調になるシエスタが、ちょっと可愛らしかった。 「まったく、この子ったら――ひいじいさまはね、元々はこの村の者じゃないんですよ」 「あ、そうなんだ……?」 「大昔に、ショコボにまたがってこの村にやってきたそうでしてね。 あんな大きな鳥は見たこと無いってことで村中大騒ぎになったと聞いております」 あれ?でも、そうすると、チョコボはそのときからずっと生きているってこと? 「あの、じゃぁ……今いるチョコボって……」 「あぁ、今のショコボは、ちょっと貴族様に頼んでね、何しろ役に立つ鳥だもんですから。 南方の方に住むオストリ鳥っていう大きな鳥と交配させた子孫なんです」 あぁ、だから普通のチョコボとは違う薄茶色なんだ。 「あ、そうそう!ビビさんのショコボの言い方、ひいおじいちゃんと似てない、お母さん?」 「あら?そういえばそうねぇ?もしかして、ご同郷なのかしら?」 そういえば、ボクはロバ・アル・カリイエってところから来たことになってたっけ。 ……うーん、どうしよう。そっちの方の話をされたら、とてもじゃないけど話をあわせられないなぁ…… 「あ、ならひいじいさまの手帳、読めなさるかもねぇ?あの訳分からないこと書いてある手帳」 どうしよう、今更違うって言ってもしょうがないし…… 「あぁ、あったあった!時計の所に隠してたんだよね?」 シエスタが、時計(って言っても、歯車がむき出しで、文字盤が無かったから、時計にはとても見えなかった)の針を、 無理やり逆回転させると、カチッと小さな音がして、歯車の一部が外れた。 「これなんですけど、ビビさん、読めます?方言なのかなって最初は思ったんですけど、綴りや文法がところどころ変で……」 どうしようって思ったけど、そのあちこち黄ばんだ手帳を見せてもらったんだ。 表紙は、真っ赤な皮でできている手帳だった。あちこちについている焦げ痕は、ロウソクでつけちゃったのかなぁ? 読めなかったらどうやってごまかそうって思いながら表紙をめくったんだ。 そしたら、聞き覚えのある地名が、そこに書き記されていたんだ。 「……『リンドブルム大公、シド・ファブール8世を尊敬して』……え!?」 リンドブルムって……あの!? ・ ・ ・ 手帳を読み進めていくと、やっぱりあのリンドブルムだったんだ。 飛空挺の国、大きなお城のある街並み、人がいっぱいで目が回った、あのリンドブルムだ。 シエスタのひいおじいちゃんの名前は、『シド・ランデル』。 「え、ビビの故郷って、平民でも苗字があるの?」 ルイズおねえちゃんが口をはさんだ。 「う、うん……めったに使わないけど……」 ともかく、シド・ランデルさんは、リンドブルムの工業区で生まれたらしい。 ……アレクサンドリアの侵攻で、つぶれてしまった工業区のことを思い出すと、 ちょっといたたまれない気持ちになっちゃったんだ。 少しだけ、そうした気持ちになりながら、先を読む。 そのときの大公、シド・ファブール8世にあやかって名前をつけてもらったらしい。 (ボク達を色々世話してくれた、カエルになったりブリ虫になった人は確か9世だから、そのお父さん、かな?) ともかく、ランデルの方のシドさんは、そのときの内戦を憂いたリンドブルム大公に共感し、飛空挺の開発に携わったんだって。 手帳の最初は、そうした自分の人生を振り返り、飛空挺を作るにあたっての心意気からはじまっていた。 曰く、『技術者たるもの、常に新しきことを目指せ!』とか、 曰く、『技術者たるもの、完成図を思い描け!』とか書いてある。 汚い字で、技術者っぽくてそっけない文章だけど、熱意がすごく伝わってくるな、と思うんだ。 「やっぱり、ビビさんと同郷だったのですね?文法がおかしくて私たちでは意味が分からなかったのに……」 そういえば、ボクがこっちの本を読もうとしたときも、文法や綴りが違うなって思ったっけ。 きっと、ちょっとずつズレてるんだと思う。 手帳は、いくつもの数式やアイディアのラフ・スケッチが続いた。この辺はぜんぜん分からない。 ところどころに、『もっと強度が?』とか『要確認!』といった走り書きが飛び出してくる。 手帳の1/3まで来たところで、箇条書きのまとめが書いてあった。 『霧機関』っていうものの完成と、その問題点について、だ。 「『霧機関』って何だい?」 「えぇと……ボクもあまり詳しくないんだけれど……」 ギーシュの質問に、断りをいれてから答えようとしてがんばる。 っていっても、詳しい仕組みとかは全然知らなかったんだ。 そもそも霧っていうのが、魂が星を循環するときに発生する副産物ってことぐらいしか知らなくて、 (ボクが霧で作られてるってことは、あんまり言いふらしたくなかったし) 「えっと……霧は、強力な魔力をもった煙、かなぁ……?」 このぐらいの説明しかできなかったんだ。 「ということは、風石の代わりに、その霧というものを使って船を飛ばすということか」 ギーシュはこうした機械の仕組みとかには頭がよく回ってくれるみたいで助かるんだ。 「で、えーと……ランデルさんの書いている問題点は……」 『霧機関』は、ボク達が旅をしたおよそ50年ぐらい前からずっと使われてきたものだった。 でも、ランデルさんは、その霧機関に問題点を見つけていたみたいだ。 霧の存在する低高度でしか使用ができないこと、 (山地を越えることが難しいって書いてある。だから、南ゲートが開発されたのかなぁ?) 霧の大陸の外、例えば外洋には出れない可能性があることが書かれてあった。 その問題点を解決するヒントを探しに旅に出て…… 「チョコボに乗ってたときに、霧に飲み込まれた……?」 そこが手帳の丁度半分まできたところで、数式や絵じゃない、文章の続くページが始まっていた。 ランデルさんは、深い霧の中、目を思わずつぶっちゃって、次に開いたときにはまったく霧の無い、青空の下にいたらしい。 「『植物:既知の生態系とは異なる。 動物:同種のものもわずかながらいるが、植物とほぼ同じく。 結論:霧の大陸では無いと推察される』……なんか、すっごく淡々とした書き方だなぁ……」 実際は、もっと驚いたんじゃないかと思うんだけど、民家を探してとにかくチョコボを走らせたらしい。 そうしてたどり着いたのが…… 「それが、この村ってわけなんですね!あー、なんかひいおじいちゃんのことが分かってうれしいです!」 シエスタがにっこり笑った。 タルブにたどり着いたランデルさんは、帰り道も分からないし、この村に住む決心をしたって書いてあった。 何より、『ここの技術の無さは逆に自分を刺激する』って書いてある。 技術者魂ってことなのかなぁ……?なんか、尊敬してしまうんだ。 あとの手帳は、風車の設計図メモや、ちょっとした日記が続いていた。 おもしろかったのは、シエスタのひいおばあちゃんへの告白をしようと考えたらしいところのメモで、 「『ラブレター作戦:問題点→当方に文才なし。 代筆の可能性?→誠意が伝わらない! プレゼント作戦:問題点→彼女の好みは? 誰かに聞く→誰に?誰にだ!?』……だって」 「なんか、いつの時代も同じだねぇ」 ギーシュが苦笑する。 なんか、いつの時代も恋する人って大変なんだなぁと思って、ボクもちょっと笑った。 ・ ・ ・ お昼ごはんまで、こうやってまったりとシド・ランデルさんの手帳を読んだり、 ランデルさんの発明品をシエスタに説明してもらったり、 ワイン蔵を見学しながらすごしたんだ。平和な旅って感じで、本当いいと思う。 ……1人を除いて、だけど…… 「あの、古物商め~……」 キュルケおねえちゃんは、シエスタの家で、ずっと『猫ワイン』を沢山飲んでいたみたい…… あんまり、飲みすぎると、体に悪いと思うんだけどなぁ…… ピコン ATE ~歌劇を見ながら~ その日の昼ごろ、ゲルマニアの劇団によるトリスタニアでの初舞台が行われていた。 タニアリージュ・ロワイヤル座を汚す行為であるとの指摘もあったが、 この度の婚姻による文化交流の一環ということと、ゲルマニアで一番人気の劇団であるということで、 無理やり反対派をおさえての開幕となったわけだ。トリステインの目の肥えた客は受け付けないのではと考えられたが、 怖いもの見たさという奇特な客がそれなりいたのか、客席はほどほどに埋まっていた。 「♪愛しの 貴方は 遠いところへ?♪」 主演女優の歌声が舞台から響く。なるほど、舞台映えのする美人だ。 「♪色あせぬ 永久の愛 誓ったばかりに♪」 しかし、ありきたりの美人だ。この程度ならば、この間、貴族警護役で雇った女騎士と同程度ではないか。 そう高等法院長であるリッシュモンは、眠たげな表情で舞台を眺めながら思っていた。 「ありきたり、といえばありきたりですな。内容を含め」 どこで考えが漏れたのか、横に座った男がそう呟く。そう、そのとおり実にありきたりな内容だった。 なんといっても単調だ。亡国の姫と、それを巡る男たちの話。使い古されている。 「――確かに、これが人気舞台となった理由がはかりかねるな」 単調な上に不謹慎な内容であるなとリッシュモンは思っていた。 何しろ、一人の男は亡国の戦士であり、もう一人の男は対立国の王子だ。 どことなく、今回の婚姻のあてつけと思われてもしょうがない。 しかし、このような風刺的な演目を行うのも、ゲルマニアらしいと言えばらしいか。 「あぁ、それには事情があるらしいですよ。なんでも、ヴィンドボナの講演でハプニングがあったとか」 「ハプニング?」 少々、興味が魅かれた。舞台では、主演女優が花束を投げ、消えた男に再び愛を誓うという名場面だったが、 男の話の方がよっぽどおもしろそうだ。 「そう、ゲルマニアで公演中に、クラーケンの仲間らしき巨大なタコが演劇中に乱入したそうでしてね。隣の見世物小屋から逃げだしたとか」 何とも間抜けな話だ。見世物小屋の管理体制はどうなっていたというのだ。 これだからゲルマニアは、と愛国心をあまり持ち合わせていないリッシュモンでも呟いてしまう。 「ほう?それで、どうなった?」 「団長以下、役者のアドリブで乗り切ったそうで。まぁ、そういった大道芸は得意なのでしょう」 そんなことで人気が出る舞台なのだ、ゲルマニアの文化程度が知れようというものだ。 「ゲルマニアらしい、といえばらしいことだ」 ふん、と鼻をならすリッシュモン。これだからゲルマニアとの連合は反対だったのだ。 「えぇ、我々のように念いりな脚本は書けぬ分、そうしたところで人気獲得に走るようですな」 ピクリ、とリッシュモンの肩が動く。 目は舞台の上、姫と悪役の王子との優雅なダンスシーンに注がれてはいるが、 頭は完全に男との話に集中していた。 「脚本、か。そういえば、次回の演目は?」 もちろん、客席のマナーとして小声だ。 いくらルール破りが得意なリッシュモンとて、そこまでルールを破る気はない。見えるところでは、だが。 「明日の朝、ですな」 話し相手の男がこともなげに答える。舞台上の俳優よりも、実に演技が上手いものだ。 新進気鋭の舞台監督として十分通用する見た目と受け答えだ。しかし、明日とは。 「急だな」 リッシュモンの頭では、算盤が弾かれていた。もちろん、文字どおりの舞台興行収益などではない。 考えているのは、今回の“舞台”により、どう情報を受け渡しすれば儲かるかという皮算用だ。 「客と役者が揃えば、早いに越したことは無いんですよ。いつ台本が他に洩れるとも限りませんのでね」 肩をすくめる様が、実に芸術家らしい動きだった。 この男は、このような職に就かず俳優という道もあったのではないかと思われた。 「ふむ、それなりに、趣向を凝らした舞台なのかな?」 リッシュモンも舞台好きの貴族としての演技を続ける。伊達に綱渡りは続けていない。 老獪な役者のみが可能な自然な演技だった。 「それはもう。こちらもフルキャストで臨みますからね」 「期待しよう。特等席から見させてもらうよ」 とはいえ、役者は本職ではない。二重の意味をもたせたやりとりは続ければ続けるほど苦しくなる。 「えぇ、それでは。私は舞台の準備がありますので、この辺りで……」 それを見計らったのか、男が中座しようとする。正直、助かったとリッシュモンは考えた。 「ふむ、分かった。演目表はいつものとおりでいいのだな?」 舞台上では、死んだと思われていた戦士が、必死に姫の元へ馳せ参じる場面で、 他の客はその見せ場に釘付けになり、二人の男の密談には気づいていなかった。 「えぇ、いつものとおりで」 演目表は、会議録のこと。それはトリステインの閣僚会議でなされる国家機密である。 だが、リッシュモンにとっては、それは豊かな老後のための安チケットでしかなかった。 「♪命 尽き果てようとも 離しはしない♪」 「♪決闘だ!♪」 決闘、か。くだらないことだ、とリッシュモンはそう思う。 決闘など、愚者のやることだ。賢者は、決闘を観劇しながら、懐を温めるのだ。 舞台上の俳優に、マザリーニ枢機卿と、クロムウェルの顔を重ねつつ、リッシュモンはニヤリと狡猾な笑みを浮かべた。 前ページ次ページゼロの黒魔道士